楽天「第4の携帯会社」に向け攻勢、人海戦術でエリア整備を前倒しへ

楽天は"第4の携帯電話キャリア"として、2019年10月に自社設備による携帯電話サービスを展開する予定ですが、現状での経過が説明されました。

 

これは、同社が11月8日に実施した2018年度第3四半期決算会見の中で、通信事業を統括する山田善久副社長からの解説があったもの。「携帯電話事業に必要な周波数免許の割り当ては、4月に完了しており、基地局などの設備を展開する事業者の選定も済ませている」と語りました。

また、サービス開始当初に基地局整備が追いつかない地方のエリアについては、KDDIとの「ローミング協定」を締結し、一時的にネットワークを借用する手はずを整えました。山田氏は「サービスインに向けて、大きなステップを着実にこなしている」と自信を見せています。

携帯電話事業でもっとも重要かつ、手間がかかる作業といえるのが、基地局の整備です。

 

これには携帯電話の電波を飛ばすための基地局を分散して建設する必要がありますが、その基地局を置くための場所の確保に携帯各社は苦慮しています。

 

楽天は基地局整備を順調に進めるため、既に東京電力など各地の電力会社と提携。送電鉄塔などの電力設備に携帯基地局を設置する協定を結んでいます。

 

さらに今回は、基地局整備のための新たな秘策を紹介しました。

 

その秘策は「人海戦術」です。山田氏は「携帯事業はグループ全体の戦略の基盤となる」として、グループ全体から数百人の人員を集めたと紹介。数百人体制で全国の地権者、ビルオーナーに対する交渉に当たることで、迅速に基地局の設置場所を確保する狙いです。

そして、この策により基地局設置をより迅速に進めることで、総務省に提出した「基地局整備計画」を大幅に前倒しできる(全国をエリア化するまでの期間を短縮できる)という見通しを紹介しました。基地局の設置が順調に進めば、KDDIからローミングで借用するエリアも少なくなるため、ローミング料の支払いも抑えられるとしています。


楽天は当初、2025年までの基地局整備にかかる資金を「6000億円」としていました。

 

今回は実際にかかる建設費は6000億円を下回る見込みになる、といいます。

また、現在MVNOとして展開している「楽天モバイル」は、全国に358店舗を展開しています。

 

この楽天モバイルショップが、そのまま楽天の新サービスの店舗として引き継がれる点も明らかにされました。