米国版Pixel 3レビュー 圧倒的にラクなeSIM、将来のFeliCaグローバル対応に期待

日本でもついに発売が決定した「Pixel 3」と「Pixel 3 XL」、11月以降順次購入者の手元へと届くことになるだろう。国内へのPixelシリーズ投入は初となるが、筆者も手持ちのNexus 5Xの乗り換え先として、今回Pixel 3を購入したので、その概要をレポートする。

GoogleのMVNO「Project Fi」利用端末として購入

 

筆者は携帯を日本2回線、米国2回線を常時維持しているが、このうち米国の1回線がGoogleの提供する「Project Fi」だ。維持費だけでいえば基本料金月額20ドルに加え、データ利用時の1GBあたり10ドル、そして税金など関連チャージでおおよそ月額3000〜4000円程度がかかり、いまの基準でいえば料金的には特別安くないのだが、Fiならでは大きなメリットとして「世界中どこでも追加料金なしでローミング自由自在」というのが挙げられる。

 

飛行機移動で現地空港に到着したら、携帯の電源オンですぐにインターネットが利用開始できるわけで非常に便利だ。またローミング時は"出口"となるインターネット接続のIPアドレスが"米国のもの"となるため、米国外で接続利用制限のかかるサービスも、Project Fiを通せば問題無用だ。テザリングも特に制限がないため、Fiを利用している端末をモバイルルータ代わりに、PCや他の携帯を便利に利用している。

 

ただしこのProject Fi、利用可能な端末の制限が非常に厳しいという問題を抱えている。サービス開始当初はNexus 5X、しかも"米国内で発売されたモデル限定"という縛りがあり、後にPixelシリーズ各製品のほか、Moto G6、LG G7 ThinQ、LG V35 ThinQ、Android One Moto Xといったサードパーティ製品が対応ラインアップに加わったものの、現時点での現行機種は6種類のみ。しかも「米国モデル限定」という縛りが存在しているため、扱いにくいサービスであることに違いはない。筆者の場合、米国版Nexus 5XでProject Fiを運用したきたのだが、Nexus 5Xのサポートが今年2018年9月に終了したことを受け、代理となる端末としてPixel 3に白羽の矢を立てた。

 

日本での発売が発売が決定したPixel 3だが、そうした理由で筆者はFeliCaが利用可能な日本国内モデルではなく、eSIM対応の米国版を今回購入している。XLではなくPixel 3にしたのは、単純に「でかい端末が邪魔」という理由だ。

 

米国でのPixel 3の出荷開始は10月16日だったため、日本におよそ2週間先行しているが、実際の入手はラスベガスでの出張を挟んだ関係で10月24日になってしまった。日本国内でも、すでに複数の先行レビューが掲載されている状況だが、今回は米国版特有のeSIMセットアップに触れつつ、全体の雑感をまとめたい。

ネット環境のセットアップは非常に簡単

 

米国版でのeSIMは「非常に設定が簡単」な点が特徴だ。なにせ、セットアップの途中でキャリア名を選択するだけで作業が進むからだ。特にProject FiでeSIMを利用した場合、必要な情報はGoogleアカウントに記載されているので、既存のSIMで運用していた電話番号もそのまま引き継げるため、さらに作業が簡単だ。eSIMでの利用を選択した場合、旧SIMは自動的に無効化されるため、このあたりもシンプルだ。

 

初期セットアップ時には旧端末とUSBケーブルで接続することでデータ転送が可能。基本的な手順としては、Pixel 3に電源を投入して移行元の端末とUSB接続、あとはGoogleアカウントにログインし、eSIMかSIMかを選択するだけで作業はほぼ完了する。アプリも引き継がれるものの、サードパーティ製アプリについてはセットアップ完了後にPixel 3への自動ダウンロードが開始される。

 

ログイン情報等は引き継がれないため、逐次設定してやる必要がある。このほか、指紋認証用のデータやGoogle Payに登録したバーチャルカード情報など、セキュア領域に保存されるタイプの情報も引き継がれない。再度セットアップが必要となる。

遊びがいのあるカメラ機能

 

Pixel 3の特徴はいくつかあるが、その最たるものはやはりカメラだろう。最近はハイエンド機での背面3眼カメラ搭載も当たり前になりつつあり、iPhoneもまた2019年モデルでの3眼モデル投入と普及モデルでの2眼統一に向かうという。だがPixelは初代モデルから1眼カメラ搭載にこだわっており、レンズ性能の差異を機械学習による画像補完で強化している。大きく違いが出るのはズームを利用した場合で、競合スマートフォンの多くがデジタルズームを採用する一方、その映像は明らかに元画像を引き伸ばしただけのものとなっている。Pixel 3では独自の画像補完技術により、望遠レンズを搭載しないモデルながらも、十分利用に耐えるだけのパフォーマンスを備える。

 

撮影したオブジェクトを画像検索対象とする「Lens」やPixel 3だけで360度画像を作れる「Photo Sphere」といった面白い機能もあるが、単純にズーム機能で遠方画像を撮影したり、ハイライトの激しい状況でHDR撮影を行うだけでも十分に楽しい。筆者は街角のスナップ用にPixel 3を持ち歩き、Active EdgeによるGoogle Assistant起動を使い、音声操作を組み合わせることで1秒以内にカメラアプリを起動し、貴重な瞬間を逃さないよう撮影を楽しんだ。たまにロックスクリーン状態が続いてカメラアプリが起動しないケースも見受けられたが、そのあたりも含めて今後のソフトウェア改良で調整されていけばいいと思う。

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