IBMがRedHat買収合意を発表。買収額約3.8兆円、クラウド分野でアマゾン・マイクロソフト追撃

コンピューター界の巨人IBMが、Liniuxディストリビューターそしてクラウドソフトウェア企業として知られるRedHatを買収することで合意したと発表しました。買収規模は約340億ドル(約3兆8000億円、1株あたり190ドル)で、IBMによる過去最大の買収案件になるとのこと。法的ハードルがすべて解消されるならば、買収は2019年後半には完了する見込みです。

 

RedHatは今から25年まえに創業し、Linuxディストリビューターとして早くから成功を収めてきた企業。1990年代後半のLinuxブームの頃には手元のPCにインストールして試してみた人も多いはず。RedHatはその後デスクトップLinux事業をFedoraプロジェクトに移し、エンタプープライズ向けに絞り込む戦略へ。さらに2006年にはJBossの買収でミドルウェア事業を2010年以降はクラウドソフトウェア事業を立ち上げるなど、時代の流れを的確につかんだ経営で成長を続けてきました。

 

IBMによる買収はクラウド事業の取得を目的としたもので、RedHatはIBMによるローカル/インターネットにまたがるハイブリッドクラウドサービスの一翼を担いつつも、個別の部門として機能し、いままでどおりオープンソースのアドバンテージを活かしたサービスを提供することになる見通しです。